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決議 14.7 * 国別に設定する輸出割当量の管理

*第15回締約国会議で改正。

附属書IIの種に関して国別に設定する輸出割当量が、自然資源の利用が持続可能であるよう保証するために野生生物取引の規制、監視を補助する重要な手段であると確信し、

多くの締約国に関し、輸出割当量が野生動植物の種の保護に不可欠な管理手段として使われていることに留意し、

しかるに、輸出割当量の使用並びに施行に関し、条約本文にも締約国会議が採択したいかなる文書にも詳しい説明がなく、割当量を国内並びに国際レベルで管理する方法に関し、全締約国が共通の理解を持つことが望ましいことを認識し、

輸出割当量が守られるよう保証する責任を輸出国と輸入国が共有することを考慮に入れ、

条約締約国会議は

締約国に対し、本決議に添付される「国別に設定する輸出割当量の管理に関するガイドライン」に従うよう勧告する。

付記 国別に設定する輸出割当量の管理に関するガイドライン

前書き

1. この文書では、CITESの関連における国別の年間輸出割当量の設定並びに管理に関する数項の一般原則を指定する。一定の場合に、これら一般原則に対する例外並びにそれらから逸脱する根拠があるものと理解されている。特に、締約国会議の決議の中に一定の例外がみつかる場合があり、それらはこれらの原則よりも優先することに留意するものとする。

2. CITESの関連において、年間輸出割当量とは、12ヵ月間に当該国から輸出できる特定種の標本の数または量に関する上限である。年間輸出割当量は目標値ではなく、割当量を完全に使い切る必要はない。ハンティングトロフィーの場合のように、野生から採取された標本で、採取が行われた年よりも後に輸出が行われる傾向の強い例があることが認識されている。

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3. 輸出割当制度は、一定の種の標本の輸出量が、種の個体数に悪影響がないレベルに維持されることを保証するために使われる管理手段である。科学当局により助言される輸出割当量の設定は、本質的に、附属書IまたはIIに掲げる種に関して有害でないと判断され、かつ、附属書IIの種については、種がその生息域全域で、生息する生態系内でそれが果たす役割に適合するレベルに維持されるよう保証すること、というCITESの要件を満たす。

4. 輸出割当制度がうまく施行されれば、輸出を許可するCITES締約国に対して有益に働く可能性がある。それにより、CITES標本の個々の積荷について有害でないことを判断する必要がなくなり、取引を監視するための基礎が提供され、輸出許可書の発給が促進される。個体群が越境して分布する種の場合、輸出割当量の設定を地域レベルで調整することができ、それは特に移動性の種の場合に関係する。

5. しかし、生物学的、行政的、その他の管理的な観点から、より適した他の管理手段がありうることも認識しなければならない。場合によっては、特に、変化する生物学的、法律的、行政的な必要性を考慮に入れ、必要に応じて補正されない場合、割当量の使用が望ましくない効果を生むことがある。例えば、特定年に対して割当量が設定された後、その種が干ばつなどの気候要因の影響を受けた場合、なおも割当量を満たそうとする圧力が存在しうる。

6. 従うべき基本原則として、持続可能な輸出レベルに関する意思決定は科学的根拠に基づき下し、採取は最適な方法で管理しなければならない。これには行政上、法律上、執行上の措置を含め、実施において規制上並びに生物学的な背景を考慮に入れることが必要である。

7. 輸出割当量の設定がもっとも効果的な管理手段になるような背景では、不必要な管理階層を押しつけることにより、その手段の使用が輸出国にとり魅力を下げるようにならようにすることが重要である。このため、本文書中のガイドラインは、実用的で単純なものにし、既存の管理上の負担をさらに重くしないようにする必要があることに留意して作成した。

国別輸出割当量の設定

8. 国際レベルで(例えば締約国会議で)輸出割当量が合意されていない場合、締約国は、CITES掲載種の管理並びに保全に関係する限り、当該種に関する国の輸出割当量を設定するよう奨励する。

9. 可能な限り、輸出割当量を設定する期間は暦年とする(つまり、1月1日から12月31日)。

10. 輸出割当量を設定するときは、条約第3条2(a)項または第4条2(a)項に従い、有害でないという科学当局の判断の結果として設定するものとし、かつ、第4条3項に従い、生息域全域を通じ、その種が生息する生態系において役割を果たすことが可能なレベルを維持するよう保証するものとする。野生から取得する標本に関する輸出割当量は、合法または違法に野生から取得される標本の数または量を考慮に入れたレベルに設定するものとする。輸出割当量が初めて設定されるとき、または訂正されるときは常に、有害でないという判断を行い、それは毎年再検討する。

11. 輸出割当量は普通、野生を供給源とする標本について設定される。ただし、供給源が異なる標本については個別に割当量を設定できる(例えば、野生からの取得、ランチング、飼育繁殖、人工的に繁殖させたもの)。特に指示がない限り、輸出割当量は野生から取得した標本に適用される。特定供給源(例えばランチング)からの標本の輸出を支持する有害でないという判断は、他の供給源からの標本の輸出を許可する根拠にはできない。

12. 輸出割当量は通常、動物または植物の特定の数または量として設定される。ただし、一定タイプの部分または派生物(例えばアフリカゾウの牙、キャビア、皮、樹皮、製材、球根)について設定することもできる。

13. 割当量が設定された種を示すために、締約国は締約国会議で採択された標準学名で指示された名称を使うものとする1。承認された名称は、毎回の締約国会議後に更新されるChecklist of CITES Speciesの最新版で確認できる2。

14. 割当量を定めるため、または明確にするために使う用語(適切な場合、割当量が適用される標本のタイプまたは供給源を表す用語など)は、締約国会議の決議中の合意された定義に従い用いるか、または「CITES年次報告書の作成と提出に関するガイドライン」の最新版3で規定されたガイダンスに従う。

国別に設定する輸出割当量の伝達

15. 決議12.3(CoP15で改正)に従い、締約国はCITES事務局に、国別に設定する輸出割当量およびその改訂した割当量を通報するものとする。その情報は任意の時点に提供できるが、可能な限り、輸出割当量が関連する期間が始まる最低30日前までに伝達する。

16. 締約国が暦年以外の期間について年間輸出割当量を設定する場合は、事務局に伝達するときに割当量が適用される期間を提示する。

17. 事務局は輸出割当量または改訂割当量について通報を受けたとき、受理後可能な限り速やかに、それらをCITESウエブサイトで公開し、公開日を表示する。公開は通常、受理から30日以内に行う。

18. 公開する割当量に関する情報を事務局が受理し、技術的問題があると思われる場合、または割当量の技術上または管理上の側面で明確化が必要な点に関して質問がある場合(例えば、標準学名に従っていない、割当量とその種について入手可能な情報の間に矛盾がある、過去の割当量を定期的に超過してきた、等々)、事務局はCITESウエブサイトに割当量を掲載する前に、それらの点を当該締約国と討議する。その場合、事務局と当該締約国は、その問題を可能な限り速やかに解決するよう努力する。解決した時点で、事務局はただちにその割当量をウエブサイトで公開する。解決しない場合は、事務局は懸念を示す注釈をつけて割当量を公開し、既存のCITES手続きのいずれかを通じてその問題に対処する。

19. 公開された割当量が高すぎることを懸念した締約国は、附属書II並びにIII掲載種の取引に関する決議11.18に従い、その割当量を設定した締約国の適切な管理当局と、その問題について協議する。

特定年に利用されきれなかった割当量

20. 輸出割当量のレベルは、特定年に輸出可能なある種の標本の数または量を反映する(その年に野生から取得された種、飼育繁殖させた種、人工的に繁殖させた種、等々)。ただし、輸出のために取得した標本であっても、取得した年に出荷することが不可能な場合が時折ある。

21. 締約国は例外的に、前年の割当量を基準として、前年に取得した1年分の標本の輸出を許可することを決定できる。その場合、前年に取得した標本を含めるために、現在の年の割当量を増やしてはならない。そうではなく、輸出される標本の数または量を、前年の割当量から差し引くものとする。

監視と取引の報告

22. 輸出割当量を設定した締約国は、その使用を監視する責任を持ち、それを超過しないよう保証しなければならない。その目的のために、実際に輸出された標本の数または量に関するデータを維持し、さらなる輸出の許可を求める申請書を審査するときの参考に使えるようにする。

23. 締約国の国別年次報告書のデータは、CITES事務局と契約を結んだUNEP世界自然保護モニタリングセンターにより維持されるCITES取引データベースに保管される。このデータベースは、国際レベルの取引並びに、輸出割当量の施行を監視するための基礎を提供する。■

 

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1 採択された最新の標準学名参考文献は決議12.11(Cop.15で改正)に含まれる。
2 この決議が発効する時点で最新のものは2007年版。
3 この決議が発効する時点(2010年6月23日)で最新のガイドラインは、締約国への通達No. 2010/013で配布されている。

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