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決議 12.10 * 商業目的で附属書Iの動物を飼育下で繁殖させる事業の登録  

*第13回、第14回および第15回締約国会議で改正。

第8回締約国会議(京都、1992年)で採択された決議8.15および第11回会議(ギギリ、2000年)で採択された決議11.14を想起し、

          

条約第7条4項で、商業目的のために飼育下で繁殖させた附属書Iの動物種の標本は、附属書IIに掲げる種の標本とみなされると規定されていることを認識し、

          

条約第3条の規定が、第7条4並びに5項による免除に値しない附属書I動物種の標本の取引を許可する根拠であることも認識し、

          

商業的な飼育繁殖事業を設立する目的で野生から捕獲された附属書I掲載種の標本の輸入は、条約第3条3(c)項により排除され、第5回締約国会議(ブエノスアイレス、1985年)で採択され、第15回締約国会議(ドーハ、2010年)で改正された決議5.10(Cop15で改正)でさらに説明されていることに留意し、

          

第10回締約国会議(ハラレ、1997年)で採択され、第11回会議で改正された決議10.16(改正)が、「飼育下で繁殖させた」の定義を定め、ある事業が登録の資格があるかどうかを判断する根拠を提供していることを想起し、

          

条約第7条5項に従い、非商業目的で飼育下で繁殖させ、飼育繁殖証明書が添付される附属書I掲載種の輸入には、輸入許可書の発給を必要とせず、したがって、目的が商業的であるか否かを問わず、認可されることに留意し、

          

条約締約国会議は

次のとおりに決定する。条約第7条4項で使われている「商業目的のため飼育下で繁殖させた」という用語は、販売、交換またはサービスの提供、もしくはその他の経済的用途を目的とし、現金か別のものかを問わず、利潤を含む経済的利益を得るために繁殖される動物の標本を指すものと解釈される。

          

条約第7条4項の免除は商業目的で附属書I掲載種の標本を飼育下で繁殖させる事業の事務局による登録を通じて実施すべきであることに合意する。

          

商業目的で繁殖させる附属書Iの動物種に関し、飼育繁殖事業を登録するための次のような手続きに合意する。

          

商業目的で飼育により繁殖させた附属書Iの動物種の標本の輸出に関し、条約第7条4項の免除を適用するか否かは、各事業が決議10.16(改正)の規定を遵守するという科学当局の助言を受け、輸出国の管理当局が決定する責任を負うことにも合意する。

          

次のとおりに決議する。

          

a) 事業によって生産される標本が決議10.16(改正)の規定に従い「飼育下で繁殖させた」と認められた場合にのみ、その事業はこの決議の手続きに従い登録することができる。

          

b) 条約第7条4項に従い飼育繁殖事業を承認する第一の主な責任は各締約国の管理当局にあり、管理当局はその締約国の科学当局と協議した上でそれを行う。

          

c) 管理当局は、付記1に明記されたように、各飼育繁殖事業の登録を行い、かつ維持するための適切な情報を事務局に提供する。

          

d) 事務局は付記2に明記された手続きに従い、全締約国に各登録申請を通達する。

          

e) 締約国は商業目的で飼育下で標本を繁殖させる事業から産出された附属書I掲載種の標本に関し、条約第4条の規定を実施する。

          

f) 登録された飼育繁殖事業は、取引されるすべての繁殖ストック並びに標本を明確に識別するために適切かつ安全なマーキングシステムが使われるよう保証し、また、さらに優れたマーキングおよび識別方法が利用可能になった場合は、それらを採用することを約束する。

          

g) 管理当局は科学当局と協力し、管轄下の登録された各飼育繁殖事業の管理を監視し、事業の性質または輸出用に生産される製品のタイプに大きな変化があった場合は、それを事務局に知らせる。

          

h) 管轄下に事業が登録されている締約国は事務局に通達することにより、他の締約国に言及せずに単独で、その事業の登録簿からの除外を要求することができ、その場合、その事業はただちに除去される。

          

i) 登録事業が決議10.16(改正)の規定に遵守していないと確信する締約国は、事務局および関連する締約国と協議した後、常設委員会に対し、その事業を登録簿から削除するよう提案することができる。常設委員会は次回の会議で、反対する締約国が提起した懸念および登録した締約国および事務局の意見を検討した上で、事業を登録簿から抹消すべきか否かを決定する。そのような方法で抹消された場合、その事業は付記2に概説する手続きを満たした場合にのみ、登録簿に復帰することができる。           

j) 当該種の保護の必要性に従い、飼育繁殖事業が継続的に意味のある貢献をすると管理当局が満足するものとする。

          

以下のとおりに促す。

          

a) 締約国は、外来種の飼育繁殖事業の設立に先立ち、国内の生態系および在来種に対する悪影響を防ぐために、生態学的危険性の評価を実施する

          

b) 管理当局は飼育繁殖事業者と密に協力し、この決議の付記1で必要とされる情報を用意するか、またはその手続きを促進するために繁殖事業者と政府を代表するメンバーから成る支援グループを設置する。かつ

          

c) 締約国は飼育繁殖事業者に対し、より速い許可申請処理、国際的に登録された繁殖事業としての承認を示す正式証明書の発給、または可能であれば輸出許可料金の引き下げなど、登録を促す誘因を提供する。

          

次のように奨励する。

          

a) 締約国は登録を希望する事業に対し、簡単な申請用紙と明瞭な指示を提供する(付記3に申請用紙の見本を提示する)。かつ

          

b) 輸入国は登録済みの飼育繁殖事業からの附属書Iの種の輸入を容易にする。

          

さらに次のとおりに合意する。

          

a) 附属書 I 掲載種の飼育繁殖標本を決議5.10(Cop15で改正)で定義された主に商業的目的の輸入をする場合、締約国はそれらを事務局の登録簿に掲載された事業によって生産されたもののみに制限し、当該標本がそのような事業から生産されたものでなく、各標本に付けられる特定の識別マークが書類に記載されていない場合、条約第7条4項に従い発給された書類を却下する。

          

b) 条約締約国でない国により条約に従い発給された同等の書類は、事務局との事前の協議なしには締約国によって受理されない。

          

以下に列挙する決議を廃棄する。

          

a) 決議 8.15(京都、1992年)- 商業目的で附属書Iの動物種を繁殖させる事業の登録と監視をモニターの手順に関するガイドライン、および

          

b) 決議 11.14(ギギリ、2000年)- 商業目的で附属書Iの動物種を繁殖させる事業を登録並びに監視する手続きに関するガイドライン■

          

付記1 管理当局から事務局に提供する登録される事業に関する情報

          

1. 飼育繁殖事業の所有者と管理者の氏名並びに住所

          

2. 設立日

          

3.登録が提案されている附属書 I 掲載種

          

4. 親の繁殖ストックを構成する雌雄の数と年令(判明している場合または適切な場合)

          

5. 関連する国内措置および条約の規定に従い親のストックを取得したことを示す証拠(例えば、日付が入った捕獲許可書または受領書、CITES書類など)。

          

6. 現在のストック(上記の親繁殖ストックに加え、所持されている動物の性別と年齢ごとの数)。

          

7.死亡率に関する情報。可能であれば、年令別および雌雄別に報告すること。

          

8. 以下のいずれかを示す書類。

          

a) その事業では、その種を最低2世代繁殖させていること、および使用した方法の記述。または

          

b) その事業でその種を1世代しか繁殖させていない場合は、使用した繁殖方法が、他の事業で第2世代の子を生んだものと同一または類似であること。

          

9.過去、現在および予想される年間の子孫の産出数量および可能であれば次の情報。

          

a) 各年の子孫を産出した雌

          

b) 年間の子孫の産出数量に見られる異常な変動(考えられる原因の説明を含む)

          

10.有害な同系交配を避けるために飼育個体群の遺伝子プールを拡大するという目的で繁殖ストックを補強するための追加標本に関して予想される必要性および供給源の評価。

          

11.輸出される製品のタイプ(例えば生きた標本、皮、その他の身体部分、など)。

          

12.繁殖ストック並びに子孫および輸出される標本のタイプ(例えば皮、肉、生きた動物など)に使われるマーキング方法(例えばバンド、タグ、トランスポンダー、焼き印など)の詳しい記述。

          

13.繁殖ストック並びに子孫の身元を確認し、事業内で保管されるかまたは事業で輸出したか、輸出されている未許可の標本の存在を検出するために、CITES管理当局が使用する検査並びに監視手続きの記述。

          

14.逃亡および/または盗難を防止するための保安対策を含め、現在並びに予想される飼育ストックを収容する設備の記述。繁殖並びに飼育のための囲い、タンク、池の数とサイズ、孵卵設備の容量、食料の生産または供給、獣医の利用可能性、記録管理に関する詳しい情報を提供する必要がある。

          

15. その種の野生個体群の保全に寄与するために、その繁殖事業により用いられた戦略または実施された活動の記述。

          

16.その事業はすべての段階において人道的(虐待がない)方法で営まれるという保証。


          

付記2 新規事業の登録に先立ち事務局が行う手続き

          

1. すべての申請に関して

          

a) 各登録申請を検討し、それが付記1の要件を満たすことを確認する。

          

b) 全締約国に各登録申請について通達し、締約国からの要求に応じて事業に関する全情報(付記1に指定)を提供する。および

          

c) 新規飼育繁殖事業を登録簿に追加することを提案する内容の締約国への事務局通達と共に、飼育繁殖事業で使用される特定のマーキング方法の詳細(および可能であれば、識別コードまたは分類コード)を公表する。

          

2. いずれかの締約国が事業の登録に関する異議の表明を希望する場合は、事務局の通達日付から90日以内にそれを行わねばならない。異議は、その申請または検討する種に直接関係したものであって、完全に文書化され、懸念を持つ元になった裏付け証拠を含む場合に、可能である。

          

3.いずれかの締約国が登録に反対した場合、事務局はその文書を動物委員会に提出し、異議に関する検討を受ける。動物委員会は60日以内に異議に関する意見を示す。事務局は動物委員会の意見を関係する締約国に渡し、特定された問題を解決するために、さらに30日間の猶予を与える。

          

4. 30日間の期間内に、異議が取り下げられないか、または特定された問題が解決されない場合、申請は常設委員会の次回定期会議に提出される。

          

a) 同委員会が異議を些細または根拠薄弱と見なした場合は、それを却下し、申請は受理される。

          

b) 同委員会が異議を正当と見なした場合は、申請した締約国の反応を検討した後、申請を受理するか否かを決定する。

          

5. 申請が付記1の要件全部を満たすと確信した場合は、事務局はその事業の名称その他の明細を登録簿で公表する。■

          

付記3 申請書式見本

(訳注:都合により省略)           

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