ホームワシントン条約についてワシントン条約決議>決議12.8 「附属書II掲載種の標本の著しい取引の再検討」

ワシントン条約について

ワシントン条約決議


決議12.8 * 附属書II掲載種の標本の著しい取引の再検討

*第13回締約国会議で改正。

条約第4条2(a)項で、輸出許可書を発給する条件として、その輸出は当該種の存続に対して悪影響を与えないと輸出国の科学当局が助言したことが必要とされていることを想起し、

条約第4条3項で、各締約国の科学当局が附属書II掲載種の輸出を監視し、生息域全体にわたり、その種が生態系で果たす役割と一致する水準に維持するために、このような輸出を制限するためにとるべき適当な処置を管理当局に助言することが必要とされていることを想起し、

条約第4条6(a)項で、海からの持ち込みの証明書を発給する条件として、その輸出は当該種の存続に対して悪影響を与えないと海から持ち込む国の科学当局が助言したことが必要とされていることも想起し、

附属書II掲載種の輸出を許可している一部の国が、条約第4条2(a)、3並びに6(a)項を有効に実施していないこと、およびそのような場合に、個体数評価およびモニタリング計画など、附属書II種の輸出がその種の存続に対して悪影響を与えない水準で行われると確約するために必要な措置が講じられていないこと、および多くの種の生物学的状態に関する情報がしばしば入手できないことを憂慮し、

第4条の適切な実施が附属書II掲載種の保護および持続的な利用に不可欠であることを想起し、

第8回締約国会議(京都、1992年)で採択され第11回会議(ギギリ、2000年)で改正された、決議 8.9(改正)に明記された、著しい取引の再検討と呼ばれる、動物委員会ならびに植物委員会による附属書IIの種の標本の取引に関する再検討の重要な有益性およびその手続きをさらに明確かつ単純にする必要性に留意し、

条約締約国会議は

 著しい取引の再検討の実施に関して
動物並びに植物委員会に対し、事務局および専門家と協力し、かつ生息国と協議し、次の手続きに従い、著しい取引の対象となる附属書II掲載種に関する生物学的、取引上、その他の関連情報を再検討し、かつ、条約の4条2(a)、3並びに6(a)項の実施に関する問題並びに解決策を特定するよう命じる。

 再検討する種の選択

a)事務局はUNEP世界自然保護モニタリングセンター(UNEP-WCMC)に対し、締約国会議の各会合後90日以内に、最近5年間の附属書II掲載種に関して記録された純輸出水準1を示す年次報告統計のCITESデータベースの要約を作成するよう要求する。

b)動物または植物委員会、事務局、締約国または他の関連する専門家が入手できる記録された取引水準および情報に基づき、優先問題として動物または植物委員会による再検討を受ける種が選択される(その種が以前に再検討の対象とされたかどうかは問わない)。

c)新たな情報により緊急問題であることが示された例外的場合には、動物または植物委員会が別の段階で、問題のある種の一覧表に種を追加することができる。

 第4条の実施に関する生息国との協議

d)事務局は種が選択される動物または植物委員会の会合後30日以内に、選択された種の生息国に通達し、選択の理由を説明し、かつ、委員会によって特定された条約第4条実施について起こりうる問題に関する意見を要求する。生息国は60日以内に回答する。

e)事務局は動物または植物委員会に対し、他の関連情報も含め、当該生息国の回答について報告する。

f)動物または植物委員会が入手可能な情報を検討した後、条約第4条2(a)、3または6(a)項が正しく実施されていると確信した場合、その種は当該国については再検討から除外される。その場合、事務局は60日以内に締約国にその旨を通達する。

 情報の編纂および予備類別

g)上記f)項に従い、その種が再検討から除外されない場合は、事務局はその種に関する情報の編纂を進める。

h)必要に応じて事務局はその種の生態並びに管理および取引に関する情報を編纂するためにコンサルタントを雇用し、コンサルタントは編纂したものに盛り込む情報を取得するために生息国または関連する専門家と連絡をとる。

i)事務局またはコンサルタントのいずれか適切な方が、選択された種に対する国際取引の影響に関する結論、そのような結論に達した根拠および第4条の実施に関する問題を要約し、かつ、選択された種を暫定的に3種類に類別する。

i)「緊急の問題がある種」には、条約第4条2(a)、3または6(a)項の規定が実施されていないことが入手可能な情報により示された種が掲載される。
ii)「問題の可能性がある種」には、それらの規定が実施されているか否かが明らかでない種が掲載される。
iii)「問題が最小限の種」には、それらの規定が満たされていることが入手可能な情報により示された種が掲載される。

j)事務局またはコンサルタントの報告が動物または植物委員会によって考慮される前に、事務局はそれを関係する生息国に送達し、意見および必要に応じて追加情報を求める。生息国は60日以内に回答する。

 動物または植物委員会による情報の検討および類別の確認

k)動物または植物委員会は事務局またはコンサルタントの報告および当該国から受領した回答を検討し、適切な場合は提案された予備類別を修正する。

l)問題が最小限の種は再検討から除外する。検討中に第4条2(a)、3または6(a)項の実施と関連しない問題が特定された場合、条約および関連決議の他の規定に従い、事務局がそれらと取り組む。

 勧告の作成および生息国への通知

m)動物または植物委員会は事務局と協議した上で、残りの種に関する勧告を作成する。勧告は当該生息国に向けて作成される。

n)緊急の問題がある種については、それらの勧告において第4条2(a)、3または6(a)項の実施に関係する問題と取り組むための特定の処置を提案すべきである。そのような勧告は短期と長期の処置を区別し、かつ、例えば次のものを含むことができる。

i)当該種の輸出に関する管理手続き、慎重な輸出割当量または一時的制約を定めること
ii)当該種の採取および管理に関するさらなる決定が以前の採取および他の要因の影響の監視に基づき行われることを確約するための適応的管理手続きの適用
iii)第4条2(a)または6(a)項の規定に従い必要とされる科学当局による有害でないという判定を下すための根拠を提供するために、分類別並びに国別の状態評価、フィールド調査、個体群に対する脅威または他の関連要因の評価を実施すること

これらの勧告の実施期限は動物または植物委員会が決定すべきである。それは実施される処置の性質に適したものとし、通常は当該国に送達した日から90日以上2年以下とする。

o)問題の可能性がある種については、その種を緊急の問題がある種と類別すべきか、問題が最小限の種と類別すべきかを動物または植物委員会が決定できるようにするために必要な情報をそれらの勧告で指定すべきである。取引の規制のために適切であれば、それらは暫定措置も指定すべきである。そのような勧告は短期と長期の処置を区別し、かつ、例えば次のものを含むことができる。

i)分類別並びに国別の状態評価、フィールド調査、個体群に対する脅威または他の関連要因の評価を実施すること
ii)暫定措置として当該種に関する慎重な輸出割当量を設定すること

これらの勧告の実施期限は動物または植物委員会が決定すべきである。それは実施される処置の性質に適したものとし、通常は当該国に送達した日から90日以上2年以下とする。

p)これらの勧告は事務局により当該生息国に通知される。

勧告の実施に関して講じられる措置

q)事務局は動物または植物委員会の議長と協議した上で、上記で言及した勧告が実施されたかどうかを判断し、その旨を常設委員会に報告する。

r)勧告が実施された場合は、事務局は常設委員会の議長と協議した上で、その種がこのプロセスから除外されたことを締約国に通達する。

s)事務局が動物または植物委員会の議長と協議した上で、n)またはo)項に従い動物または植物委員会が行った勧告を生息国が実施したと確信できない場合、事務局は常設委員会に適切な処置を勧告し、それには最後の手段として、その国との影響される種の取引の一時停止も含めることができる。事務局の報告に基づき、常設委員会は適切な処置を決定し、当該国または全締約国に対して勧告を行う。

t)事務局は常設委員会が行った勧告または処置について締約国に通達する。

u)当該国との影響される種の取引を一時停止するという勧告は、その国が第4条2(a)、3または6(a)項に遵守していることを実証し、事務局を通じて常設委員会がそれを確信した場合にのみ撤回すべきである。

v)常設委員会は事務局および動物または植物委員会の議長と協議した上で、2年を超える取引停止の勧告を再検討し、適切であれば状況と取り組むための措置を講じる。


生息国への支援に関して


締約国並びに野生生物の保護および持続的利用に関心を持つすべての組織に対し、かなりの国際取引の対象とされる動植物の種の野生個体群が、それらの存続にとって有害な取引の対象とされないよう確約するために、補助を必要とする国に対して財政支援または技術的補助を提供するよう促す。そのような措置としては次のような例がある。

a)生息国における保護要員の訓練

b)当該種の標本の生産および輸出に関与する人物および組織への情報およびガイダンスの提供

c)生息国間での情報交換の促進

d)技術的な装置および支援の提供

事務局に対し、生息国における資金調達の必要性の特定並びに通報およびそのような資金調達の潜在的財源の特定を補助するよう命じる。

監視、報告および種の再検討プロセスへの再導入に関して

事務局に対し、本決議および条約第4条の関連する項の実施の監視および促進を目的として、次のとおりに命じる。

a)動物または植物委員会の各会合で、当該生息国によるその委員会が行った勧告の実施に関して報告する。

b)本決議に明記された再検討プロセスを受ける種の登録簿および勧告の実施に関する進捗状況の記録を維持する。

フィールド調査の調整に関して

事務局に対し、適切であれば動物委員会または植物委員会の委員長と協議した上で、IUCNやその他の適切な専門家と契約し、UNEP-WCMCと共同で、著しい水準の取引の対象になっていると特定された附属書IIの種について要求されるフィールド調査の実施を調整し、そのような調査に必要な資金を調達するよう命じる。かつ

決議8.9(改正)(京都、1992年、ギギリ、2000年で改正)-野生から取得された附属書II掲載種の標本の取引を廃棄する。

-------------------------------------------------------
1「純輸出水準」とは、締約国の年次報告書中の輸出入データをもとにある生息国から輸出された標本の総数から同国によって輸入された標本の総数をひいたものである。

ワシントン決議一覧へ戻る


もどる
pagetop
??