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決議 11.16 * 附属書Ⅰから附属書Ⅱに移行した種のランチング標本のランチング並びに取引

* 第14回、第15回締約国会議で改正。

第5回締約国会議(ブエノスアイレス、1985年)で採択され、第10回会議(ハラレ、1997年)で改正された決議5.16(改正)並びに第10回会議で採択された決議10.18を想起し、

第10回締約国会議(ハラレ、1997年)で採択され、第11回会議(ギギリ、2000年)で改正された決議 10.16(改正)の条件が、野生から取得され、飼育下で育成された附属書I掲載種の標本の取引を、条約の第3条の規定に従う場合を除き、許可していないことに留意し、

一定の種の保護を目的とし成功したいくつかの計画により、そのような取引がもはや野生個体群の存続に悪影響を及ぼさなくなることを根拠として、それらの種の標本の国際取引が許可されることを認識し、

第9回締約国会議(フォートローダーデール、1994年)で採択され、第11回会議(ギギリ、2000年)で改正された決議9.6(改正)で、締約国はランチング事業の全製品を即座に識別可能とみなすよう勧告されていることを想起し、

十分な規制を達成するには、ランチングされた動物の取引される部分並びに派生物のマーキングが必要であることを認識し、

同じ種のランチングされた動物の部分並びに派生物に対し、各締約国が異なるマーキングシステムを設置した場合、混乱が起き、施行が困難になることを認識し、

ある種をランチングのために附属書Ⅱに移すという提案は、その種に対して以前にそのような提案が承認されたことがある場合、承認された提案と意図、条件、特定される条件が一致すべきであることを確信し、

条約第14条に従い、締約国は附属書に掲げる個体群の標本の取引に関し、より制限的な国内規制を採用できることを認識し、

ある個体群を利用するランチング事業がもはや基準を満たさないことが確定した場合、個体群を附属書Iに戻す必要性があることを考慮し、

卵又は孵化直後の個体の管理された採取に基づくワニ目のランチングは、潜在的に価値があり、かつ積極的な保護手段になる可能性があるが、成体の取得にはより厳重な規制が必要であることを自覚し、

一部の種のランチングは、成体の野生からの捕獲と比較して管理制度として、「安全」かつ確実な持続可能な利用の形態であることが証明されていることを認識し、

野生個体群を保護する努力に害を及ぼす可能性がある飼育繁殖事業の確立に対し、原則としてワニ目の保護にとってより有益なランチング事業よりも大きな誘因を提供することの危険性を意識し、

条約の優先的目的は附属書に掲げる種の野生個体群を保護することであり、この目的の達成を意図した計画に積極的な誘因を提供しなければならないことを強調し、

条約締約国会議は

定義に関して

次のとおりに決定する。

a) 「ランチング」という用語は、成体に育つまで生き残る確率がきわめて低いと考えられる野生から、卵または幼体として取得された動物の制御された環境での育成を意味する。

b) 「均一なマーキングシステム」という用語は種に対して締約国会議が承認した各産物をマーキングするシステムを意味し、それは最低限、国際標準化機構による原産国の2文字のコード、一意の識別番号、産出年、又は提案の時点で在庫中にあるかもしくは在庫中のその事業の産物から製造された産物については提案が承認された年を含むものとする。

ランチングのために個体群を附属書Ⅰから附属書Ⅱに移す提案に関して

次のとおりに勧告する。

a) 締約国の管轄権内に生息し、締約国会議により、もはや絶滅のおそれがなく、取引を意図したランチングによって利益を得ると見なされた附属書Iの個体群は附属書Ⅱに掲げられる。

b) 締約国会議によって考慮されるために、ランチング計画実施のために個体群を附属書Ⅱに移す提案は、次のような総合基準を満たす。

i) 計画は局所的個体群の保護にとって主に有益でなければならない(すなわち適用可能な場合、野生での増加に寄与するか、又は安定した個体群を維持しつつ種の生息地の保護を促進する)。

ii) 各事業の全産物(生きた標本を含む)は、附属書Iの個体群の産物から即座に識別可能であるよう保証するため、十分に識別および記録されなければならない。

iii) 計画は適切な目録、捕獲量の規制、野生個体群を監視する機構を備えていなければならない

iv) 必要に応じ、かつ適宜、十分な数の個体が野生に戻されることを保証するための十分な安全策を計画の中に確立しなければならない。

c) 以前にその種に関してランチング提案の承認を受けたことがあるか否かを問わず、ある種の個体群に関するランチング提案を提出する締約国は、附属書改正案のために必要とされる通常の生物学的データに加え、次の項目を提案に盛り込む。

i) この決議で定義された均一なマーキングシステムの最低要件を満たすべきマーキングシステムの詳細

ii) 事業によって生産される産物のタイプを指定した一覧表

iii) 取引に供される全産物および容器のマーキングに使われる手法の記述

iv) ランチング事業からのものかどうかを問わず、当該種の標本の現在のストックの目録

d) ランチングを目的として、ある種のある締約国の個体群又はそれよりも小さい地理的に離れた個体群の附属書Ⅱへの移行の提案は、次の項目を含まない限り締約国会議によって承認されない。

i) 野生からの取得が野生個体群に重大な悪影響を与えないという証拠

ii) 各ランチング事業の生物学的および経済的成功の見込みの査定

iii) 事業は全段階において人道的な(虐待しない)方法で実施されるという保証

iv) 計画は再導入又はその他の方法を通じて野生個体群にとって有益であると実証する記録された証拠

v) 上記「勧告」のb)に特定した基準が継続的に満たされるという保証

e) 締約国会議の次回会議で討論するためには、この決議に従う附属書改正の提案はその会議の少なくとも330日前までに事務局が受理するものとする。動物委員会との協議のうえ、事務局は上記「勧告」のd)に特定された基準が満たされていることを確認し、上記b)に特定された提案中の情報および保証を検討するため、適当な科学的および技術的助言を求める。事務局の意見により、基準に関する一層の情報が必要になった場合、事務局は提案受理後150日以内に提案した締約国に情報を要求する。その後、事務局は条約第15条に従い、締約国に通報する。

f) 野生成体の捕獲部分を含む提案は、純粋に卵、新生児、幼生、又はその他の若年期段階の採取のみに基づくものよりもはるかに厳重に検討する。

種を附属書Iから附属書IIに移行する提案に記載されたランチング計画の変更に関して

次のとおりに勧告する。

a) この決議の規定に従い、ある種の個体群の附属書Ⅱへの移行を達成しようとするか又は達成した締約国は、野生個体群の利用方法を提案に記載された技法に限り、例えば後に事務局に通知せずに野生の動物を取得するための新たな短期計画を開始するようなことをしない。

b) ランチング提案を承認された締約国は上記「勧告」の c) で事務局に供給した情報の変更を事務局に提出する。事務局は動物委員会との協議のうえ、提案された変更が元のランチング計画を実質的に変え、野生個体群の保護を阻害又は危険にさらすかどうかを決定する。事務局はその結果としての決定を締約国に通知する。

c) 事務局が動物委員会との協議のうえ、h)に従い提案されたランチング計画の変更がその種の管理を実質的に変えるという結論に達した場合、提案された管理は新たな提案として扱われ、この決議および条約第15条の要件に従う提案の提出を必要とする。

附属書Ⅰから附属書Ⅱに移される種のランチングされた標本の取引に関して

全締約国は取引が当該個体群に関して承認されたランチング提案のすべての条件および要件を遵守しない限り、ランチング事業の産物の取引を禁ずるよう勧告する。

ランチングのために附属書Ⅰから附属書Ⅱに移される種に関する監視及び報告に関して

次のとおりに勧告する。

a) 承認された各ランチング事業の関連する全側面に関する年次報告書が、関連締約国により提出され、それは次の項目を含むものとする。

i) ランチングにより起きる個体群の規模並びに構成の変化の認識を可能にする適切な頻度並びに十分な精度で行われるモニタリングにより確定した当該野生個体群の状態

ii) 野生から毎年取得される標本(卵、若年個体または成体)の数およびこの取得数の中でランチング事業に供給するために使われるパーセント値

iii) 年間生産量水準の詳細および輸出向けに生産された産物のタイプ並びに量

b) 締約国は以下の情報を維持し、要求に応じて事務局に提出するものとする。

i) ランチング事業のために取得される卵、新生児、その他の成長段階の年間野生生産量の推定パーセント値

ii) 放出された動物の数、およびもし行われていれば、調査並びに標識計画に基づき推定されるそれらの生存率

iii) 飼育下での死亡率および死亡原因

iv) ランチング事業または当該野生個体群に関連して実施される保護計画および科学実験

v) 種の分布面積にランチングを営む面積の推定パーセント値

c) 常設委員会および関連締約国の同意を受け、事務局は状況がそれを必要とするいかなる場合にも、ランチング事業を訪れ、検査するという選択肢を持つ。

d) 事務局の報告書がこの決議を遵守することができず、常設委員会および関連締約国がその件を満足できる程度に解決できない場合、常設委員会は関連締約国との十分な協議の後、寄託政府に対して当該個体群を附属書Iに戻すための提案を準備するよう要求することができる。

以下に列挙する決議を廃棄する。

a) 決議5.16(改正)(ブエノスアイレス、1985年、ハラレ、1997年で改正)-ランチングされた標本の取引

b) 決議10.18(ハラレ、1997年)-ランチングされた標本のランチングおよび取引■

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