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ワシントン条約決議


決議 11.12 * ワニ皮の識別のための国際統一標識システム

* 第15回締約国会議で改正。

現存するワニ目全種が附属書Ⅰ又はⅡに掲げられていることを意識し、だが、いくつかのワニ目がある程度の違法取引の対象になる場合があることを憂慮し、

ワニ目の特定個体群は附属書Ⅰから年間輸出割当量を設定したうえで附属書Ⅱに移行されることがあり、これらの輸出割当量については、これらの個体群からの年間採取量がそれらの存続にとって有害ではないと保証するものとされていることを認識し、

違法取引がワニ目の特定個体群の存続を脅かし、国内のワニ資源を持続可能な方法で管理しようとする生産国の努力を阻害したことがあることを認識し、

条約第6条7項で、附属書に掲げる種の標本はそれらの識別を促進するためにマーキングできると規定されていることを想起し、

国際取引される全てのワニ皮の標識付けは、ワニ目の国際取引の有効な規制に向けた基本的一歩であって、いまだそうであり、それを趣意とする決議6.17並びに9.22が第6回、9回締約国会議で(オタワ、1987年:フォートローダーデール、1994年)採択されたことを考慮し、

ワニ皮をマーキングするための標識を作ることができる製造者の登録簿が、事務局により作成並びに維持され、存在することに留意し、

条約締約国会議は

次のとおりに勧告する。

a) 原産国から国際取引に供される全てのワニ皮に再使用不可標識を全般的に適用することで、生、なめし、及び/又は仕上げたワニ皮の国際統一標識システムを維持する。

b) ワニ目の原皮、脇腹およびキャレコには輸出前に個別に標識を付けられている。

c) 再使用不可標識には少なくとも次の情報を盛り込む。原産国を示すISOの2文字のコード、独自の連続識別番号、標準種コード(付記1に表示)、及び適宜、 第11回締約国会議(ギギリ、2000年)で採択され、第14回および第15回締約国会議(ハーグ、2007年; ドーハ、2010年)で改正された決議11.16(Cop15で改正)の規定に従い、皮が産出又は捕獲された年。さらに、標識は少なくとも次の特性を備える。 不正使用できない自動ロック式メカニズム、耐熱性、化学並びに機械処理に対する慣性、永久型押しによる、バーコーディングを含めることもある英数字情報。

d) 標識上の情報は原産国、皮の産出あるいは捕獲年、連続番号、種コードの順序に並べ、皮の産出あるいは捕獲年と連続番号はハイフンで区切る。

e) ワニ目の交配種に由来する皮のラベルには、この決議の付記1に示した標準種コードの代わりに、HYBという指定か、又は血統が判明している場合は、親の3文字のコード2個をxという文字で区切ったもの(たとえば交配種がCrocodylus porosusとCrocodylus siamensisの交配であればPORxSIA)を使う。

f) 尾、喉、足、背、その他の部分は、内容の記述と総重量及びc)、d)、e)に記された個々の原皮、脇腹、キャレコの標識に必要な情報全部が盛り込まれた再使用不可標識またはラベルで明瞭にマークされた密封容器に入れて輸出する。

g) 締約国は法律的に可能な限り、ワニ皮の生産者、なめし業者、輸入者、輸出者の登録又はライセンス供与、もしくはその両方のシステムを設ける。

h) 生、なめし、及び/又は仕上げたワニ皮の再輸出を許可する全ての国が、輸入品と再輸出品の有効な照合を行う管理システムを実施し、さらに、最初に輸入されたものがさらに加工され、さらに小さく切り分けられた場合を除き、皮並びに脇腹が元のままの標識を付けて再輸出されることを保証する。

i) 生、なめし、及び/又は仕上げた皮、脇腹並びにキャレコに付けられた元の標識を紛失するか、損傷するか、又はそれがはずれた場合、再輸出国は再輸出に先立ち皮、脇腹又はキャレコに標識を付ける。この「再輸出標識」は上記c)の全ての要件を満たすものとする。ただし、原産国、標準種コード、皮の産出年及び/又は捕獲年は必要ない。さらに、これらの標識に盛り込まれたものと同じ情報を、皮、脇腹およびキャレコが輸入された際の許可書原本の明細と共に、再輸出証明書にも記入する。

j) ワニ皮及びその部分の取引に関する輸出許可書、再輸出証明書又はその他の条約書類に関し、締約国はそれらに適宜c)、f)、i)又はj)で言及された情報 が記入され、かつ、関連する皮及びその部分に、この決議の規定に従い標識が貼付されている場合にのみ、それらを受け入れる。

k) 締約国は適宜、事務局の助言を受け、この決議の付記2に示された取引で使われる標識の管理並びに追跡システムを実施する。

l) 管理当局は、標識上に指定された年に皮、脇腹及びキャレコに付けられたものではない標識が処分されることを確実にする。

事務局に対し、システムの欠陥又は特に憂慮される事例を、適宜、動物委員会並びに関連締約国に報告するよう命じる。

次に列挙する決議を廃棄する。

a) 決議6.17(オタワ、1987年)-ナイルワニ並びにイリエワニの皮の輸出割当の実施

b) 決議9.22(フォートローダーデール、1994年)-ワニ皮の識別のための国際統一標識システム■

付記1 ワニ目識別用コード

種名 コード 種名 コード
Alligator mississippiensis MIS Crocodylus moreletii MOR
Alligator sinensis SIN Crocodylus niloticus NIL
Caiman crocodilus apaporiensis APA Crocodylus novaeguineae NOV
Caiman crocodilus chiapasius CHI Crocodylus palustris PAL
Caiman crocodilus crocodilus CRO Crocodylus porosus POR
Caiman crocodilus fuscus FUS Crocodylus rhombifer RHO
Caiman latirostris LAT Crocodylus siamensis SIA
Caiman yacare
YAC Gavialis gangeticus GAV
Crocodylus acutus
ACU Melanosuchus niger NIG
Crocodylus cataphractus CAT Osteolaemus tetraspis TET
Crocodylus intermedius INT Paleosuchus palpebrosus PAP
Crocodylus johnsoni JOH Paleosuchus trigonatus TRI
Crocodylus mindorensis MIN Tomistoma schlegelii SCH

 

付記2 ワニ皮の取引に使われる標識の管理並びに追跡システム

1. CITES事務局はこの決議のc)に明記された最小限の要件を満たす標識を製造できる認可製造者の一覧表を作り、維持し、定期的に改定する。さらに、事務 局は締約国にそのような供給源について定期的に通知し、各管理当局はこれらの認可製造者からのみ、ワニ皮、脇腹およびキャレコをマーキングするための標識を取得する。

2. 事務局によって登録された認可標識製造者は最初に、次のことを行うと書面で合意する。

a) この決議に従い作られた一連の標識を複製しない。

b) 管理当局、又は非締約国の場合は決議9.5(Cop15で改正)に従い事務局が認めた政府機関もしくはこれらの機関が認可した組織にのみ標識を販売する。

3. 管理当局の要請に応じ、事務局はワニ皮の標識を購入並びに配布し、援助を必要とする締約国に対して外部資金が得られる場合を除き、前払いを必要とする。

4. ワニ皮又はこの決議で言及された他の標本の輸出許可書又は再輸出証明書を発給する際、締約国は各書類に伴う標識の数を記録し、要請があれば、この情報を事務局に提示する。

5. 輸出、再輸出、輸入締約国の管理当局は、常設委員会が命じた場合、又は生息国とCITES事務局の間で合意された場合、ワニ皮、脇腹又はキャレコに関する各輸出許可書、再輸出証明書、又はその他の条約書類の写しを、適宜、発給又は受理の直後に事務局に提供する。

6. 容器用の標識またはラベルの使用を必要とするか、又は必要とする意図がある締約国は、参考として少なくともひとつのサンプル標識またはラベルを事務局に送付する。■

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