ホームワシントン条約についてワシントン条約決議>決議11.3「遵守および施行」

ワシントン条約について

ワシントン条約決議


決議11.3(Cop16で改正) 遵守および施行

*以下は、2010/6/23(CoP15)時点の内容。

第6回および7回締約国会議(オタワ、1987年、ローザンヌ、1989年)で採択された決議6.3並びに決議7.5、第2回締約国会議(サンホセ、 1979年)で採択され、第9回締約国会議(フォートローダーデール、1994年)で改正された決議2.6(改正)、第3回締約国会議(ニューデリー、 1981年)で採択され、第9回会議で改正された決議3.9(改正)、第6回締約国会議で採択され、第9回締約国会議で改正された決議6.4(改正)、第 9回会議で採択され、第10回会議(ハラレ、1997年)で改正された決議9.8(改正)を想起し、

条約の附属書Ⅱ並びにⅢに掲載される動植物の取引が一部の種の存続に悪影響を及ぼすことに関して、さまざまな締約国から表明された憂慮を認識し、

生きたものおよび死んだ動植物、およびそれらの部分・派生物の取引を規制する規定の遵守状態の監視、書類の発給、管理に関し、輸出国と輸入国両方の管理当局による不適切または不十分な実施が原因で過去に条約違反が何件か起きていることを意識し、

上記の違反が再発しないこと、および条約の目的のために定められたメカニズムが完全に実施され、絶滅のおそれがある動植物種の取引規制並びに有効な保護のためにその正常かつ効率的な機能が保証されることが、条約の全締約国にとり、倫理、生物学、生態学、経済的にもっとも有益であることを考慮し、

条約の規定を施行ならびに執行する能力には、締約国の間でかなりの差があることを意識し、

途上国はその特別な社会経済的、政治的、文化的、地理的状況により、適切な規制要件を満たす上で大きな困難を抱えているが、しかし、可能な限りの最高水準の効果を維持することがそのために免除されるわけではないことを認識し、

適切なCITES規制の欠如により、違法輸入を許し続けている消費国がいまだに存在する中、自国のCITES規制の施行において全生産国が極度の困難に直面し、そのような困難が他の締約国での施行問題を悪化させることを認識し、

附属書に掲げる種の標本の生産国からの違法輸出が貴重な野生生物資源に対して深刻な被害を引き起こし、管理計画の効果を下げることを認識し、

輸入国による留保が抜け穴となり、それを通じて原産国で違法に取得された標本が何ら規制を受けることなく合法的な市場を見つけることができるという事実に配慮し、

留保を維持する一部の輸入国が、第4回締約国会議(ガボローネ、1983年)で採択され、第14回会議(ハーグ、2007年)で改正された決議4.25(CoP14で改正)の締約国会議の勧告を検討することを拒否し、そうすることにより、自国の野生生物資源の保護を望む生産国の自然保護政策を弱めていることに注目し、

野生動植物の違法取引がいまだに主要な関心事であることを認識し、

CITES掲載種の標本のインターネット商取引が急増していることを認識し、

2009年2月にバンクーバー(カナダ)で開催されたCITES掲載種の標本のインターネット商取引に関する会議の結論および勧告に留意し、

これらの違法に取得された資源を輸入する国は世界的な違法取引を助長する直接的責任があり、このような方法で生産国の自然遺産が損害を受けることを考慮し、

締約国が条約によって定められたすべての規則を実施し、有効に遵守することが条約の成功にとり不可欠であることを考慮し、

もし彼らが条約の目的達成に成功したら、条約の執行は締約国のもっとも高いレベルの絶え間ない関心事でなければならないことを確信し、

野生動植物の違法取引によって生じる深刻な問題と取り組むために条約の執行を強化する必要があること、またそのような取引から得られる利益と比べたときに、執行のための入手可能な資源はほんとうにわずかであるということを確信し、

条約の目的達成に成功するためには、締約国が条約の条約第8条1項により、締約国は条約の規定を施行し、それに違反した標本の取引を禁じるために適切な措置を講じること、およびそれには違法に取引された標本の没収または輸出国への返還を行うための措置が含まれる、と規定されていることを想起し、

条約の前文に、野生の動植物の一定の種を国際取引による過剰な捕獲から守るためには国際協力が不可欠であると明記されていることを認識し、

不正行為と疑われる野生生物取引に関連する事例と状況に関する迅速な情報交換を通じ、条約の適用において緊密に協力し、他の関連締約国が法的制裁を加えることを可能にするという締約国の義務を確認し、

1994年3月にイスラエルで開催されたアジア地域会合で、法施行協力に関する決議が採択されたことを歓迎し、

1995年10月に北京でこの件について開催されたワークショップで作成され、アジア地域での法執行協力機構を創設するために努力すると述べたアジア地域野生生物取引規制に関する北京声明を歓迎し、

国際的に活動することがあり、他の違法活動にも携わることがある個人並びに組織犯罪集団を含むグループにより、しばしば木材、野生生物、他の森林生物資源を含む森林製品の違法国際取引が犯されること、また、国連国際組織犯罪防止条約並びに国連腐敗防止条約が、野生生物犯罪と取り組むための国際協力のための追加法的枠組みを提供することを、国連犯罪防止刑事司法委員会が認識したことを歓迎し、

野生動植物の違法取引に対する協力執行活動に関するルサカ協定によるCITES施行強化への寄与を認識し、

他の手段と組み合わせた犬の使用が探知および押収の確率を引き上げること、探知犬は他の手段では探知できない品目を探知できること、犬とハンドラーのチームは、短時間で人および貨物または荷物を調べる上で非常に効果的であることを認識し、

国、地域、国際レベルでのCITES当局ならびに野生生物法執行機関の間で協力と調整を改善する必要性を意識し、

2004年2月にシェパーズタウン(米国)で開催された会合でのCITES執行専門家グループの結論ならびに勧告に留意し、

事務局からの情報要求に締約国が対応する期限が第13条で指定されていないこと、また対応がない場合に回答拒否と解釈されないようにするためには期限設定が必要であることを考慮し、

野生生物の部分並びに派生物を示すためにある種の用語を使用した際、何らかの法律違反を引き起こす場合があることを考慮し、

施行過程において事務局が果たしうる役割の重要性および条約第13条で規定された手段を認識し、

第13条で規定された条約施行促進における事務局の役割、および施行機構間および教育目的の情報交換の円滑化のために事務局が国際刑事警察機構(ICPO-インターポール)並びに世界税関機構(WCO)と共に講じた措置を自覚し、

入手可能な限られた資金を用い、締約国および事務局は、例えば国連薬物犯罪事務所の下で提供される機構のように、既存の政府間施行機構並びに資源を最大限に活用すべきであることを意識し、

条約の対象種の違法取引をさらに削減するため、一層の措置が必要であることに同意し、

そのような高水準の野生生物の取引が行われるため、消費国は生産国と共に、取引が合法的かつ持続可能であり、締約国により採択され、施行される執行措置が生産国において保全を支援することを確保する責務を負うことを承知し、

条約附属書に掲げる種の標本の違法取引が、野生生物資源に深刻な被害を与え、野生生物管理計画の有効性を低下させ、合法的かつ持続可能な取引、特に多数の生産国の発展途上経済を弱体化させ、脅かす可能性があることを認識し、

条約締約国会議は

遵守、規制、協力に関して

全締約国に対し、可能な限り早急に各国の管轄下にある領土内における野生生物取引の規制、特に隣国を含む生産国からの輸送に対する規制を強化し、管理当局を持つ国から発給された書類を厳重に確認するよう促す。

次のとおりに勧告する。

a) 全締約国が:

i) 野生動植物の違法取引の深刻さを認識し、それを国内法執行機関における優先項目として特定する。

ii) 適当であれば、CITESの執行を強化し、その規定の遵守を達成し、野生生物法執行機関を支援するよう意図した国内並びに地域行動計画を、日程、目標、資金調達に関する規定を組み込み、策定することを考慮する。

iii) 野生生物法執行の責任を持つ係官に、税関ならびに警察のよく似た立場の係官に同等の訓練、地位、権限を与える。

iv) 附属書IIに掲げる動植物種の取引の規制に関係する条約の全機構ならびに規定に関し、また、附属書に掲げる種の違法取引からの保護を保証する全規定に関し、厳重な遵守と規制を保証する。

v) 上記規定に違反した場合、そのような違反に対して罰を与え、適切な矯正策をとるために、ただちに条約第8条1項に従う適切な措置を講じる。

vi) 違法取引に関係しそうなすべての状況と事実および規制措置に関し、そのような取引を全廃することを目的として、互いに情報を提供し合う。

b) 締約国は、違反に対し、それらの性質と重大さに適した制裁措置を推奨する。

c) 国連国際組織犯罪防止条約並びに国連腐敗防止条約にまだ加盟していないか、またはまだ批准していない締約国は、それを行うことを考慮する。

d) 特に輸入国は:いかなる状況または弁解のもとでも、輸出国または再輸出国により権限を持つと公式に指定され、事務局に正しく通知された管理当局以外には、階層水準とは無関係に、いかなる当局が発給した輸出または再輸出書類も受理しない。

e) 附属書ⅡまたはⅢの種が取引に関与するいずれかの国の法律に違反して取引されていると輸入国が確信する理由がある場合、輸入国は:

i) その法律への違反が起きたと考えられる国にただちに通知し、可能な限りの範囲で、取引に関連する全書類の写しをその国に提供する。

ii) 可能な場合、条約第14条に規定されたように、その取引に対してより厳重な国内措置を適用する。

f) 締約国は、自国の在外公館、外国における任務の代表、国際連合の旗の下で活動する部隊に対し、彼らが条約の条項を免除されないことに注意を促す。

第13条の適用に関して

次のとおりに勧告する。

a) 第13条の適用において、違反の疑いがある件に関する情報を事務局から要求された場合、締約国は1ヵ月の期限内に回答するか、または可能ならば、その月内に要求を受理したことを通知し、要求された情報を提供できると考える日付を、たとえおよその日付であっても提示する。

b) 要求された情報が一年の期限内に提供されなかった場合、締約国は回答できなかった理由の説明を事務局に提供する。

c) 事務局が特定の締約国で条約実施に関する重大な問題が生じていると認識した場合、事務局は当該締約国と協力し、その問題の解決に努め、必要に応じて助言または技術援助を申し出る。

d) 解決策が即座にみつからないように思える場合、事務局はその件に注目するよう常設委員会に促し、常設委員会は解決策をみつける手助けをするという観点から、当該締約国と直接接触し、その件を追求することができる。

e) 上記の実施上の問題およびそれらを解決するために講じられた措置に関する情報を、事務局は通告を通じて可能な限り完全に締約国に通報し続け、違反の疑いがある件の報告書でそれらの問題を取り上げる。

事務局の執行活動に関して

締約国、政府間および非政府組織に対し、事務局の施行支援作業に資金を提供することにより、条約の施行に対する一層の財政支援を提供するよう促す。

事務局に対し、次の優先事項にその資金を使うよう命じる。

a) 執行関係の事柄について事務局で作業を行う追加職員の指名

b) 地域の法執行協定の締結並びに実施の支援

c) 締約国に対する訓練並びに技術援助

法執行問題との取り組みで事務局を支援するための執行職員を出向させるよう締約国に促す。かつ

条約の機関、国内条約施行当局、既存の政府間組織、特に世界税関機構および国連薬物犯罪事務所並びに国際刑事警察機構(ICPO-インターポール)との間でより密接な国際的連携を追求するよう、事務局に対して命じる。

情報の通報と調整に関して

次のとおりに勧告する。

a) 管理当局は、訓練活動並びに共同会議を手配し、また、情報交換を促進することにより、税関並びに警察、また、適宜、分野別の非政府組織を含め、CITESの執行に責任を負う政府機関の調整を行う。

b) 締約国は国別の機関間委員会を設置し、管理当局と税関並びに警察を含むCITESの執行に責任を負う政府機関とを統合する。

c) 締約国は、緊急の問題として、野生動植物の違法取引を調査する責任を持つ自国の関連国内法施行機関の詳細な連絡先を事務局に通報する。

d) 締約国は事務局から自国が発給した書類の不正使用に関する通報を受けた時、必要であればICPO-インターポールに呼びかけ、その犯罪を教唆した者を特定するための調査を実施する。

e) 偽の書類を提示された時、締約国は標本がどこにあるか、偽の書類がどこで発給されたかを割り出すために可能な限りのことを行い、適切であれば事務局およびその他の締約国に通報する。

f) 地域レベルで野生生物法執行機関の間の協力ならびに調整を図るための適切な機構を作るために、締約国はそれぞれの地域内で協力する。

g) 事務局は常設委員会と協議し、当初は附属書Iに掲げる種を中心に、必要に応じて臨時のCITES執行特別委員会を設置する。

h) まだ行っていない締約国は、関連国内執行ならびに起訴機関からインターポール野生生物犯罪作業部会に出席する係官の指名について考慮する。

i) 既存の探知犬プログラムを持つ締約国は、そのようなプログラムの立案および実施に関心を持つ締約国と、知識および経験を共有する。

j) 締約国は事務局に意味のある違法取引事件に関する詳しい情報を提供する。

k) 締約国は事務局に対し、可能な限り、有罪判決を受けた違法取引業者並びに常習犯に関する情報を提供する。および

上記の情報を直ちに締約国に通報するよう事務局に命じる。および

CITES掲載種の標本のインターネット商取引に関して

締約国に対し、以下を行うよう勧告する。

a) 附属書I掲載種の標本の販売を最優先問題として、合法的な野生生物取引を管理し、違法野生生物取引を捜査し、犯人を罰するという課題と取り組むために十分な国内措置を確保するために、国内措置の評価または整備を行う。

b) 国内レベルで、インターネットにつながる野生生物犯罪の捜査を専門とする部署を設置するか、またはコンピュータもしくはサイバー犯罪を捜査または監視する既存の部署に野生生物取引問題を組み込む。

c) 国内レベルで、インターネット関連野生生物取引の監視を調整し、それらの活動により得た情報を、CITES管理および執行当局指定の連絡窓口の間でタイムリーに共有できるようにするための機構を設立する。

締約国およびインターポールに対し、さらに次のように勧告する。

a) 他の機関が使用している方法で、インターネットを介してCITES掲載種の合法的売買を規制する機構の評価に役立つ可能性がある方法に関し、事務局に情報を提出する。

b) CITES掲載種の標本の違法なインターネット関連取引を捜査し、犯人を絞り込むことに、十分な資源が配分されるようにする。

c) 執行、能力強化、大衆の認識に関する戦略を策定するために、監視活動中に得たデータを使用する。

d) インターポール事務総局内に、野生生物犯罪のインターネット商取引に関する部分を専門とする常勤職を設けるために、資金を提供するための方法を検討する。その職の責任として、インターネット商取引に関するすべての情報または機密情報が定常的に収集され、締約国が指定した関連執行当局に配布されるようにすることが含まれる。

施行促進のための一層の行動に関して

さらに、締約国が次のことを行うよう勧告する。

a) 以下により、国境警備、監査、審査のための包括的戦略の策定に必要な措置を講じる。

i) 物品の通関手続きおよび積み替え、仮通関、倉庫保管などの税関での手続きのための様々な手続きを考慮に入れる。

ii) 例えばCITESの要件、標本の識別、生きた動物の取扱いなどに関するCITES関係の事柄を、規制責任者である係官が意識しており、それについて訓練されているよう保証する。

iii) CITES許可書ならびに証明書の真正性ならびに有効性を保証するために、特に必要であれば、有効性の確認を事務局に要求することにより、文書管理を実施する。

iv) リスク評価ならびに対象設定の方針に基づき、物品の物理的検査を行う。

v) 野生生物探知犬の使用。

vi) 輸出および再輸出の時点で規制の質を引き上げる。かつ

vii)これらの目標を達成するために必要な資源を提供する。

b) 野生生物資源の管理とそれによる違法取引との戦いにおいて、国内および地方社会の支持と協力を確保するための誘因を宣伝する。

c) 適宜、施行を目的として、機密保護の基準を守りつつ、非政府情報源から得られる情報を評価並びに活用する。

d) 国内での特別野生生物法執行部隊またはチームの編成を考慮する。

e) 国内執行能力を強化し、かつ改善するための革新的手段を探る。

f) 機関間の協力の育成と法知識の改善、種の識別、リスク分析、犯罪行為の捜査に特に重点を置き、焦点を絞った国内並びに地域の施行能力強化活動を実施する。および

g) 情報交換、技術的助言、支援を通じ、野生生物の違法取引を摘発し、抑止し、予防するために、適切かつ可能である限り、消費国、原産国、通過国のCITES管理当局並びに法執行機関と密接に連携する。

締約国、政府間組織、NGOに対し、開発途上国ならびに移行経済圏諸国を中心に、できれば地域または準地域を基盤として、施行関係の訓練または訓練資料の提供を可能にする資金と専門知識を緊急に提供し、そのような国の野生生物法執行要員が十分な訓練と備えを与えられるよう保証するための資金を提供するよう促す。

締約国に対し、CITESの執行および条約違反の起訴を優先するよう奨励する。

附属書Iの種の標本の違法狩猟ならびに取引に関し、違反者の逮捕と有罪判決につながる情報に報酬を与えるよう各国に奨励する。

ICPO-インターポールに対し、インターポール野生生物犯罪作業部会の代表によるCITES締約国会議会合への出席を支援するよう促す。

事務局に対して次のように指示する。

a) 世界税関機構、ICPO-インターポール、所管国内当局と協力し、

i) 適切な訓練資料を準備し、配布する。かつ

ii) 国境警備を担当する当局間の技術情報交換を促進する。かつ

b) 常設委員会の各会合ならびに締約国会議の各定期会合に、施行問題に関する報告書を提出する。

次に列挙する決議またはその一部を廃棄する。

a) 決議2.6(改正)(サンホセ、1979年、フォートローダーデール、1994年で改正)-附属書IIおよびIII種の取引-b)並びに「要求」という表題の項

b) 決議3.9(改正)(ニューデリー、1981年、フォートローダーデール、1994年で改正)-国際的遵守管理

c) 決議6.3(オタワ、1987年)-CITESの実施

d) 決議6.4(改正)(オタワ、1987年、フォートローダーデール、1994年で改正)-違法取引の規制

e) 決議7.5(ローザンヌ、1989年)-施行

f) 決議9.8(改正)(フォートローダーデール、1994年、ハラレ、1997年で改正)-施行 ■

ワシントン決議一覧へ戻る


もどる

pagetop