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ワシントン条約決議

 
決議10.19 * 伝統医療

*第12回および第14回締約国会議で改正され、
第15回締約国会議の後に事務局により訂正。

 野生動植物がさまざまな形で伝統医療に使われ、伝統医療において続いているいくつかの絶滅のおそれのある種の規制されない使用が、これらの種の長期的存続 に対する潜在的脅威および持続可能性を基礎とする伝統医療の発展という観点から、生息国および消費国の間で懸念の対象となってきたことを認識し、

 東アジアのほとんどの伝統医療システムが、広範囲な臨床的観察と試験を重ね数千年かけて発達してきた理論と実際から成る合理的システムである漢方から派生したものであることを認識し、

 世界保健機関が伝統医療が世界の医療の保障にとって重要であり、数百万人が主な健康管理法としてこれらの医療に依存していると認めたことを意識し、

 一定の野生種の過剰な捕獲という問題と取り組みつつ、世界の健康管理システムにおいて伝統医療が持つ意義に関する理解を改善する必要性について確信し、

 多くの形式の伝統医療が野生種の持続可能な採取に依存していることを承知し、

 第9回締約国会議(フォートローダーデール、1994年)で採択され、第13回会議(バンコク、2004年)および第15回会議(ドーハ、2010年)で改正された決議9.19(CoP15で改正)1が、野生個体群への圧力は飼育繁殖および人工繁殖によって軽減される可能性があると認めていることを想起し、

 絶滅のおそれのある種の標本に対する代替品の使用に関する研究の重要性を認識し、

 過剰な捕獲の危険性のある野生種がサイやトラのように一層厳重な措置が必要になる点まで脅かされることを避けるため、十分な措置を講じることが必要であると信じ、

 条約第7条3項に基づく手回り品として取引される伝統薬の合計量が、特定の種の保全に悪影響を与える可能性があることに留意し、

 包括的な国内法およびその有効な施行が全締約国における条約の実施にとって重要であると確信し、

 第9回締約国会議で採択され、第14回会議(ハーグ、2007年)および第15回会議で改正された決議9.14(CoP15で改正)2、第10回会議(ハラレ、1997年)で採択され、第12回会議(サンティアゴ、2002年)および第14回会議(ハーグ、2007年)で改正された決議10.8(CoP14で改正)、第11回会議(ギギリ、2000年)で採択された決議11.7、第12回会議で採択され第15回会議で改正された決議12.5(Cop15で改正)3が、伝統薬の成分として普通に遭遇する特定分類群の保全並びに取引に関係して講じられる様々な措置に言及していることを想起し、

条約締約国会議は

締約国に次のことを行うよう勧告する。

a) 絶滅のおそれのある種の違法利用の撤廃に向けて一般への教育および啓蒙計画を立案し、他の野生種の過剰な採取を避ける必要性について意識を高めるため、伝統医療開業者および消費者の団体と密接に協力する。

b)伝統医療で使われる部分および派生物を識別するため、法科学の応用を含め、技術の発展を促進する。

c) 合成化合物や脅かされている程度が低い種の派生物など、脅かされた野生種の標本に代わる代替成分の伝統医療における一層の利用を容易にし、奨励し、調査し、これが他の種が脅かされる事態につながらないことを確保する。および

d)伝統医療の必要性を満たし、それによって種の野生個体群に対する圧力が軽減され、国内法に従う場合、適宜かつ十分な安全対策があれば、人工繁殖の応用および一定の状況では飼育繁殖を考慮する。

締約国に対し、国内での使用を意図した伝統薬に、その旨が明瞭に表示され、輸出が効果的に防止されるよう確保することを促す。

締約国に対し、条約第7条3項が伝統薬に関して完全かつ一貫して施行されることを確保し、附属書Iの成分を含む伝統薬が、適切な書類が伴わない限り、旅行者並びに訪問者により輸出されないよう確保することを促す。

伝統薬の成分として普通に遭遇する掲載種を効果的に保護するには、手回り品および家財に関し、締約国が一層厳重な国内措置を適用することが必要な場合があることを認める。および
資金提供を行う可能性のある者に対し、本決議における措置を施行するための行動への資金提供を援助するよう促す。

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1 第15回締約国会議の後に事務局により訂正:以前は決議9.19(Cop13で改正)と言及されていた。
2 第15回締約国会議の後に事務局により訂正:以前は決議9.14(Cop14で改正)と言及されていた。
3 第15回締約国会議の後に事務局により訂正:以前は決議12.5と言及されていた。

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