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■ 決議10.16 * 飼育下で繁殖させた動物の種の標本 |
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*第11回締約国会議で改正され、第15回締約国会議の後に事務局により訂正。
(前文省略)
締約国会議のさまざまな会合でいくつかの決議が採択されたにも関わらず、飼育下で繁殖させたと宣言された標本の取引の多くがいまだに条約及び締約国会議決議に反するものであり、当該種の野生個体群の存続に対して悪影響を及ぼす可能性があることを懸念し、
条約締約国会議は
用語に関してこの決議で使われる用語の次のような定義を採択する。
a)「第1世代の子孫(F1)」は、少なくとも片親が野生で受胎されたか又は野生から取得された親から、制御された環境の中で産出された標本である。
b)「第2世代(F2)又はその後の世代(F3、F4など)の子孫」は、制御された環境で生まれた両親から、制御された環境で産出された標本である。
c)事業の「繁殖ストック」は、事業の中で繁殖のために使われる動物の集合である。
d)「制御された環境」は特定の種の動物の産出を目的として操作され、その種の動物、卵又は配偶子が制御された環境に入るか又は出ることを防ぐことを意図した境界を持ち、その一般的な特徴として、人工の収容設備、排泄物の除去、健康管理、捕食者からの保護、人工的に供給される食べ物が含まれ、それらに制限されないような環境である。
「飼育下で繁殖させた」という用語に関して
次のとおりに決定する。
a)以下に示す定義は商業的目的で繁殖されたかを問わず、附属書I、II又はIIIに掲げられた種の飼育下で繁殖された標本に適用される。
b)「飼育下で繁殖させた」という用語は条約第I条(b)項の定義に従い、制御された環境で生まれたか又はその他の方法で産出された標本のみを指すものと解釈され、次の場合にのみ適用される。
i)生殖が性的なものであれば、制御された環境で親の交配又は配偶子の移動が行われ、生殖が非性的なものであれば、子孫の発達が始まった時に親が制御された環境中に存在する。
ii)輸出国の資格ある政府当局が満足する程度に、繁殖ストックが次の条件を満たす。
A)CITES及び関連する国内法の規定に従い、野生でのその種の存続に悪影響を及ぼさない方法で確立された。
B)CITES及び関連する国内法の規定に従い、かつ科学当局が助言したとおりに野生でのその種の存続に悪影響を及ぼさない方法で、時折次のような目的で動物、卵、配偶子が追加されることを除き、野生からの標本の導入なしで維持される。
1.有害な同系交配を防ぐか又は軽減するため。そのような追加の程度は新たな遺伝質の必要性によって決定される。
2.決議10.7(Cop15で改正)1に従い、没収された動物を処分するため。
3.例外として、繁殖ストックとして使うため。
C)
1.第2世代(F2)又はその後の世代(F3、F4など)の子孫を制御された環境で産出した。
2.制御された環境で第2世代の子孫を確実に産出できると実証された方法で管理される。
飼育下で繁殖された附属書Iの種の標本の取引に関して
飼育下で繁殖された標本の取引は、締約国会議で採択された決議でのマーキングに関する規定に従ってマークされ、かつマークのタイプと番号が取引を認可する書類上に示されている場合にのみ許可されるよう勧告する。
決議2.12(改正)(サンホセ、1979年、フォートローダーデール、1994年で改正)を廃止する-「飼育下で繁殖させた、もしくは人工的に繁殖させた標本」。
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1 第15回締約国会議の後に事務局により訂正:以前は決議10.7と言及されていた。
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