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ワシントン条約について

ワシントン条約決議

 
決議 10.13 * 木材種に関する条約の施行

* 第13回、第14回および第15回締約国会議で改正。

改正案には関係する分類群に関する生物学および取引上の最大限の情報を盛り込むべきであることを認識し、

そのような情報は木材取引または森林経営に関する専門知識を持つ国際組織からしばしば入手できることを意識し、

附属書IおよびIIおよびIIIの解釈に言及された部分および派生物は明瞭に定義されるべきであることを認識し、

締約国が木材の年間取引に関して十分に報告し、合意された測定単位を使う必要性を強調し、

曖昧なところのない木材の識別は、その性質上、特定の専門知識を必要とする複雑な手順になりうることを意識し、

木材識別資料の作成が条約の有効な実施にとって不可欠であり、作成の費用はかなりの額になることを認識し、

木材取引グループおよび施行係官と話し合い、木材種の現地名およびそれに対応する学名に関する標準命名法の使用について合意に達するためにいくつかの国の当局が採用してきた方法は有用と思われることに留意し、

さらに、条約の目的は国際取引による過剰伐採から一定の種を保護することにより、現世代および将来の世代のために野生動植物相の保護を保証することであることに留意し、

条約は条約の第3条、4条、5条の要件に従う取引により、および生物学的な状態の評価および有効性のある施行のための取引の監視の改善により、木材種を含む動植物の保護の推進において決定的な役割を果たすことができることにも留意し、

商業取引は当該種の存続に悪影響を与えないレベルで実施されるならば、種および生態系の保護にとって有益な場合があることを認識し、

締約国は附属書に掲げられたいかなる種に関しても、より厳重な国内措置を講じる権利を有することも認識し、

そのような措置は掲載された種の保護とは無関係な影響を及ぼすことがあり、当該種がCITES附属書に掲げられた目的と直接関係しない目的のために講じられる可能性があることを意識し、

附属書IIまたはIIIへの種の掲載がその種の取引の禁止を意味するという誤解があることにも留意し、

そのような誤解はCITESに掲げられた木材種の建築家、技術者、商業事業その他による利用の禁止または制約、および消費者によるそのような品目の使用の減少を含む負の影響を及ぼすことがあることを認識し、

教育は条約の有効性のある実施における重要な手段であることを承知し、

寒帯、温帯、熱帯の国際的に取引されている多くの木材種が適当な育林技術を通じて持続可能な方法で管理可能だが、他の木材種についてはそのような知識が現在欠けていることに留意し、

いくつかの木材種は悪影響を及ぼすレベルの使用および国際取引のために脅かされている可能性があることに留意し、

条約締約国会議は

次のとおり勧告する。

国際組織に関して

a) 木材種に関して改正案を提出する意図を持ついかなる締約国も、生物学的および取引のデータを確認または要求するには、(他の合意された手続きとは無関係に)下の表に掲載した組織中の最低4組織(BとTという2つのタイプ各々から2組織)と協議し、締約国に配布するために事務局に送付する前に、あらゆる関係情報を改正案に盛り込むべきである。

略号 国際組織 データ
B=生物学的データ
T=取引データ
ATO アフリカ木材機関
 
ATTO アジア太平洋木材取引機関   T
CIFOR 国際林業研究センター  
FAO 国連食糧農業機関;林業部門 B T
IBFRA 国際北方木材研究協会  
ITTO 国際熱帯林機関 B T
IUFRO 国際森林研究機関連合
 
IUCN
国際自然保護連合
 
IWPA 国際木材製品協会  
T
SPT-TCA アマゾン協力協定暫定事務局 B  
TRAFFIC トラフィック B T
UCBD 欧州硬木連合  
UNEP-WCMC 世界自然保護モニタリングセンター  
WWF 世界自然保護基金  

b) 木材種に関するCITES附属書改正案が提出された時、決議9.24(Cop15で改正)の2番目の「決議する」のh) を実施するため、事務局はITTO、FAO、IUCNの見解を求め、それらを締約国会議に提出する。

部分および派生物に関して

c)CITES附属書の注釈に関し、次の定義を適用する。

i) 丸太

樹皮を剥がれたかまたは辺材かによらず未加工、若しくは大まかに四角に切られ、挽き材、パルプ材またはベニヤ板に加工するためのすべての木(HSコード44.03 1)。

ii) 挽き材

単純に縦方向に挽かれた木もしくは縦断チップ工程によって製造された木。挽き材は普通厚みが6 mmを超える(HSコード44.06 1、HSコード44.07 1)。

iii) ベニヤ板

普通6 mm以下の均一の厚みを持ち、普通剥がされるかまたは薄く切られた木の薄層またはシートで、ベニヤ張りの家具、ベニヤ容器などのための合板の製造に使われる(HSコード44.08 1)。

iv) 合板

互いに貼り合わせて押しつけた3枚以上の木材シートで構成され、連続する層の木目がほぼ交叉するよう配置したもの(HSコード44.12.13 1、HSコード 44.12.14 1、HSコード 44.12.22 1)、および

d)木材として取引される種の部分および派生物に関する附属書における注釈では、可能な限りの範囲で、世界税関機構の調整システムの関税分類に基づく定義を用いる。

木材種に関する改正案に関して

e) 附属書IIまたはIIIに木材種を掲げる提案では、どの部分および派生物を規制するかを明瞭に示す。

f) これらの部分や派生物が丸太、挽き材またはベニヤ板でないとき、輸出許可書または再輸出証明書の有効期間の延長および/またはそれに記載された目的地の変更のための手続きを適用すべきである場合、提案国はそれと関連して決議12.3(Cop15で改正)の改正も提案する。

「人工的に繁殖された」の定義に関して

g) 単一種人工林で育成された木から取られた木材またはその他の部分またはその派生物は、決議11.11(Cop15で改正)に含まれる定義に従い、人工的に繁殖されたものとみなす。

木材種の保護における条約の役割の一般による理解の改善に関して

h) 締約国は附属書IIまたはIIIに掲げられた種の木材標本の取引に対してより厳重な国内措置を課す前に、保護および取引に対する可能な限りの有害な影響を考慮する。

i) 管理当局は政府機関(地方自治体を含む)、NGO、産業界、一般大衆と協力し、条約の目的、規定、実施に関する情報を作成および提供することにより、 附属書への種の掲載が種の標本の取引の禁止を意味するという誤解に反論し、附属書IIおよびIIIに掲げられた木材種の国際取引および利用は一般に許可され、有益にもなりうるというメッセージを行き渡らせる。

懸念される木材種に関して

j) 分布国は生物学的状態および育林の必要性に関する知識により懸念が持たれる国内の国際的に取引されている木材種に特に注意する。かつ

木材種の輸出割当量の設定について

k) 条約第4条2(a)並びに3項の要件を十分尊重しつつ、附属書IIに掲げる種の木材標本を輸出する締約国は、そのような輸出に関する自主的な年間国別輸出割当量の設定を考慮する。■

1 HSは取引される物品を記述し、コード化する世界税関機構の調整システムを意味する。木材に関して本文書で言及されているコードは次のとおりである。

44.03 皮を剥がれたかまたは辺材かによらず未加工、若しくは大まかに四角に切られた木

44.06 鉄道または路面電車の枕木

44.07 かんなで削られたか、やすりをかけられたかまたはフィンガージョイントされたかによらず、縦方向に挽かれたかもしくはチップされたか、薄く切られたか、または剥がされた厚み6mmを超える木

44.08 かんなで削られたか、やすりをかけられたかまたはフィンガージョイントされたかによらず、ベニヤ板および合板用のシート(薄く切られているかを問わない)およびその他の、縦方向に挽かれたか、薄く切られたかまたは剥がされた厚み6mm以下の木

44.12.13 木材のシートのみで構成され、各層の厚みが6 mmを超えず、下の小見出し備考1*で指定した熱帯木材の外層を最低ひとつ持つような合板

44.12.14 木材の板のみで構成され、各層の厚みが6 mmを超えず、非針葉樹木材の外層を最低ひとつ持つような合板

44.12.22 その他(ひとつまたはそれ以上の層の厚みが6 mmを超えることを意味する)、非針葉樹木材の外層を最低ひとつ持ち、下の小見出し備考1*で指定した熱帯木材の層を最低ひとつ持つような合板

*小見出し備考1:小見出し44.03.41から44.03.49、44.07.24から44.07.29、44.08.31から44.08.39、44.12.13から44.12.99の目的に即し、「熱帯木材」という表現は以下のいずれかのタイプの木材を意味する。

アビュラAbura、アカジョアフリカAcajou d'Afrique、アフロルモシアAfrormosia、アコAko、アランAlan、アンジローバAndiroba、アニングレAningré、アボゾラAvodiré、アゾベAzobé、バラウBalau、バルサBalsa、ボッセクレイアBossé clair、ボッセフォンセBossé foncé、カチボCativo、セドロCedro、ダベーマDabema、ダークレッドメランチDark Red Meranti、ジベツDibétou、ドウシェDoussié、フラミレFramiré、フレイジョFreijo、フロメイジャーFromager、フーマFuma、ゲロンガンGeronggang、イロンバIlomba、インブイアImbuia、イペIpé、イロコIroko、ジャボティJaboty、ジェルトンJelutong、ジェキティバJequitiba、ジョンコンJongkong、カプールKapur、ケンパスKempas、クルインKeruing、コジポKosipo、コチベKotibé、コトKoto、ライトレッドメランチLight Red Meranti、リンバLimba、ロウロLouro、マカランドゥバMaçaranduba、マホガニーMahogany、マコレMakoré、マンディオケイラMandioqueira、マンソニアMansonia、メンクランMengkulang、メランチバカウMeranti Bakau、メラワンMerawan、メルバウMerbau、メルパウMerpauh、メルサワMersawa、モアビMoabi、ニアンゴンNiangon、ニヤトーNyatoh、オベチェObeche、オクメOkoumé、オンザビリOnzabili、オレイOrey、オバンコルOvengkol、オジゴOzigo、パドックPadauk、パルダオPaldao、パリッサントルグアテマラPalissandre de Guatemala, パリッサンドルパラPalissandre de Para、パリッサンドルリオPalissandre de Rio、パリッサンドルロゼPalissandre de Rose、パウアマレロPau Amarelo、パウマーフィムPau Marfim、プライPulai、プナPunah, クアルバQuaruba、ラミンRamin、サペリSapelli、サキサキSaqui-Saqui、セプターSepetir、シポSipo、スクピラSucupira、スレンSuren、チークTeak、タウアリTauari、ティアマTiama、トラTola、バイロラVirola、ホワイトラワンWhite Lauan、ホワイトメランチWhite Meranti、ホワイトセラヤWhite Seraya、イエローメランチYellow Meranti

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