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ワシントン条約決議


決議 9.19 * 輸出を目的とした附属書Iの植物種の人工繁殖株のナーセリー(栽培場)の登録

* 第13回締約国会議で改正され、第14回締約国会議の後に事務局により訂正。
さらに第15回締約国会議で改正。

条約の第7条4項で、営利目的で人工繁殖された附属書Iの種の株は、附属書IIに含まれる種の株とみなされると規定されていることを認識し、

植物の人工繁殖は動物の飼育繁殖と本質的に異なること、特に生産される株の数、およびほとんどの場合、世代間の時間的間隔という点で異なることから、異なる取り組み方が必要であることを認識し、

各締約国が自国の自然植物遺伝資源に対して有する権利を認識し、

附属書Iに含まれる種の株の人工繁殖は、原産国の伝統農業に代わる経済的代替策となり、自然分布域の保護上の重要性を強化する可能性もあることを認識し、

附属書Iに含まれる種の株の人工繁殖は、関心を抱くすべての人が株を容易に入手できるようにすることにより、収集の圧力を減退させる効果を持つことから、野生個体群の保護状態に対して良い影響を及ぼすことを認識し、

第5回締約国会議(ブエノスアイレス、1985)で採択された決議5.151が、ナーセリーの登録も率先して規定したにもかかわらず、そのような登録を実行に移したことをCITES事務局に通知した締約国が皆無であることに留意し、

附属書IIに含まれる種の人工繁殖株および附属書Iに含まれる種の交配種の取引を促進するため、いくつかの決議が採択されてきたことを想起し、

附属書Iに含まれる種の人工繁殖が継続あるいは開始されることを保証するためにも、そのような促進が必要である可能性があることを看取し、

未登録のナーセリーが、輸出許可書取得のための標準的な手順を使い、いまだに附属書Iの種の人工繁殖株の輸出を続けている可能性があることを認識し、

条約締約国会議は

以下のように決議する。

a) 輸出目的で附属書Iの植物種の株を人工繁殖させるナーセリーの登録に関する責任は、各締約国の管理当局が、その締約国の科学当局との協議の上で負担する。

b) 輸出目的で附属書Iに含まれる種の株を人工繁殖する営利目的のナーセリーの登録を希望する管理当局は、登録簿への掲載のために、各ナーセリーの登録を取得し、維持するための適切な情報すべてを事務局に提供する。

c) 登録ナーセリーで生産された附属書Iの種の人工繁殖株は、以下の条件を満たした場合にのみ輸出可能である。

i) 同じ積み荷にある人工繁殖されたものまたは野生収集の附属書IIおよび/または附属書IIIの植物から明瞭に隔離された方法で包装並びにラベリングされている。そして

ii) CITES輸出許可書に、事務局が与えた登録番号と、供給したナーセリーの名称―それが輸出業者と異なる場合は―が明記されている。そして

d) 各締約国が司法管轄区域内のナーセリーを登録簿から削除することができる権利とは別に、登録輸出ナーセリーが登録の要件に準拠していないことに気づいたかあるいはそれを実証できるいかなる締約国も、そのナーセリーを登録簿から削除するよう事務局に提案できるが、事務局はそのナーセリーが置かれている締約国の管理当局と協議した後に初めて削除を実行する。そして

事務局が、登録申請書を検討し、輸出目的で附属書Iの植物種の株を人工繁殖させる営利目的のナーセリーの登録簿を、締約国から受理した情報に基づき編集ならびに更新し、この登録簿を締約国に伝えるよう命じる。■

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1事務局からの注:決議9.18に差し替えられ、それ自体も第10回締約国会議で決議9.18(改正)に差し替えられ、そして第11回、第13回、第14回、第15回締約国会議でそれぞれ決議11.11、決議11.11(Cop13で改正)、決議11.11(Cop14改正)、決議11.11(Cop15改正)に差し換わった。

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付記1 営利目的のナーセリーの役割

条約締約国会議は

事務局の登録簿への掲載を求める営利目的のナーセリーの所有者または管理者は、自国の管理当局に以下の情報を提供する責任を負うことを決議する。

1. ナーセリーの所有者および管理者の氏名と住所

2. 開業日

3. 施設と繁殖技術の説明

4. ナーセリーの履歴の説明。特に過去にどのような種またはグループが繁殖されたかという情報

5. 現在繁殖中の分類群(附属書Iのみ)

6. 合法的に取得した量と証拠を含む附属書Iの野生由来の親株の説明。ただし、ナーセリーが、「人工的に繁殖させた」という用語の定義に関し、決議11.11(CoP15で改正)で指定された条件に従い、その種の国内の個体群からの野生採取の種子または胞子から標本を繁殖させている場合は、その限りではない。

7. 近い将来に輸出が予測される株の量■

付記2 管理当局の役割

条約締約国会議は

各管理当局は以下の機能を実行するものと決議する。

a) 事務局に対し、附属書Iの種の株を人工繁殖し、輸出するナーセリーを登録するよう要請するよう通知し、以下の項目を提供する。

i) 当該分類群の学名(および異名)に関する情報

ii) 付記1に従ってナーセリーが提供したナーセリーの施設と繁殖技術の説明

iii) 下のiv)項で言及する場合を除き、親ストックの身元ならびに合法的原産地を確認するために管理当局が使う検査手続きの記述

iv) 種苗事業者がその種の国内個体群から収集した野生の種子および胞子を使う場合、決議11.11(CoP15で改正)の項目「「人工的に繁殖させた」の定義に関して」における「勧告する」の下のa)項とb)項に指定された条件を満たすという証明書。および

v) 当該ナーセリーに存在する野生起源の附属書Iの種の他の株の合法的起源を示す証拠またはそのような株が既存の国内法に従って規制されているという十分な保証

b) 登録ナーセリーにおいて附属書Iの種の親株として指定された野生起源の株の数が、自然な原因以外の方法での株の処分によって枯渇しないよう保証する。ただし、登録ナーセリーの要請により、管理当局が親株(またはその部分)の別の登録輸出ナーセリーへの移動に同意する場合は除く。

c) 登録輸出ナーセリーは、野生起源の親株の規模と、ナーセリーがそれ以外の附属書Iの種の野生個体起源株を保管していないことを確認するため、管理または科学当局あるいは管理当局が指定したその他の資格ある組織の専門家により、定期的な検討を受け、これらの検討の結果は事務局に伝えられるよう保証する。

d) 条約第7条4項および決議12.3(Cop15で改正)に従い、各登録ナーセリーに対して輸出許可書を発給するための簡単な手順を作成する。そのような手順には、次のような項目を持つCITES輸出許可書の発給前手順を盛り込むことができる。

i) 欄12bにナーセリーの登録番号を記入する。そして

ii) 欄5に少なくとも次の情報を記入する。

「CITES決議11.11(Cop15で改正)で定義された 人工繁殖植物にのみ有効な許可書 以下の分類群に対してのみ有効」     ■

付記3 事務局の役割

条約締約国会議は

事務局が以下の機能を果たすものと決議する。

a) 管理当局から附属書Iの植物種の株を輸出目的で人工繁殖するナーセリーの登録申請書を受理し、検討する。

b) ナーセリーが全要件を満たすという確信を得られた場合、名称、登録番号その他の詳細を登録簿で、報告書受理後30日以内に公表する。

c) ナーセリーが全要件を満たすという確信を得られなかった場合、関係管理当局に完全な説明を提供し、認可されるために満たさなければならない具体的条件を示す。

d) 締約国が提供する登録ナーセリーに関する報告書を受理並びに検討し、まとめの結論を植物委員会に提示する。

e) 責任を負う管理当局が文書でそのように要請した場合、ナーセリーの名称を登録簿から削除する。そして

f) ナーセリーの登録済ナーセリーの登録要件遵守への不備に関し、締約国あるいはその他の情報源からの情報を受理並びに検討し、そのナーセリーがある締約国の管理当局と協議した後、適宜、登録簿からその事業を削除する。■

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